新しいお薬を発売できる会社の少なさ -医療用医薬品-
お薬は、
- 医療用医薬品
- 一般用医薬品
に分けられることは書かせていただきました(こちら)。
オプジーボの話もしたし、僕も医療用医薬品が専門なので、医療用医薬品のお話から。
この記事の中では、医療用医薬品と書くと、堅苦しいし、長いので「お薬」と書きます。
多くの方は、お薬について、
「よくわからない」「正体不明」「キケン!」「うんさんくさい」
と思っている人が多いように思います。
中には、
「製薬会社は、ボロ儲けしやがって、けしからんっ!!」
と思っている方もいるようです。
しかし、お薬が発売されるプロセスを知れば、少し安心したり、考え方も変わるかも。
突然ですが、質問です。
Q1. 2017年4月〜2018年3月の1年間のうち、世の中に新しく発売された新成分を含むお薬の数は、何個あるでしょうか?
Q2. 日本でお薬を作っている製薬会社の数は、いくつでしょうか?
ヒントになるかはわかりませんが、
「製薬会社で研究員しても、人生で自分が関わった研究が1つも製品にならなかった」
という方は、けっこういるようです。
これは、「仕事ができない」とか「頭が悪い」ということではなく、「運」も多分にあるからです。
さて、先ほどの回答ですが、
A1. 38個(2017年4月〜2018年3月)の新成分を含む医薬品が発売されました。
A2. 113社の製薬会社が日本にはあります(2014年時点)。
製薬企業数はこちら。
つまり、1年間に新成分を含むのお薬を発売できていない会社の方が多いのです。
新成分を含むのお薬を1つ発売するには、お薬のなり損ない(失敗作)が30,000成分もあるといわれています。
そんな状況を踏まえて、製薬会社で薬作りをやっている人は、
という方もいます。
そして、こちらのコラムにも書いたように、1つのお薬を発売するまでに、
- 時間にして10年
- お金にして50億円
がかかると言われています。
一見すると非常に非効率です。
なぜ、このような非効率さが発生するのでしょうか?
次回以降のテーマとさせてください。