健康を硬派に考える(仮)

薬剤師免許・医学博士号をもち、製薬会社への勤務経験もあるアサカワイッペイが健康に対して、真剣に考えるブログ

自粛生活はいつまでか?

 

5月4日の安倍総理の会見により、新型コロナウイルス感染症に関する緊急事態宣言の延長が、正式に発表されました。

会見内容をまとめ、出口戦略と自粛生活の終了について改めて考えたいと思います。

なお、経済対策や教育問題は、本ブログ主旨および私の専門から外れるため割愛します。

 

安倍総理の会見

現状への認識

政府は新規患者数や実行再生産数の低下(R<1)をポジティブに捉えています。

しかし、想定より各数値の減少は緩やかで、緊急事態宣言解除には不十分とのことです。

 

現状の医療への認識については、

  • PCR検査体制が不十分であること
  • 医療機関や保健所の負担が大きいこと
  • 有効な治療法がないこと

などが言及されています。

 

新型コロナ自体について、ゲノム解析の見解も発表しているます。

1〜2月に日本で流行したものを中国武漢由来の第一波と考えており、第一波はクラスター対策により抑え込みに成功しているという認識です。

そして、今の流行は欧米由来の第二波で、既にピークアウトしたと見解を示しています。

www.niid.go.jp

 

今後の展開

今回の会見で言及された要旨は以下の通りと思います。

  • 緊急事態宣言解除は5月31日までが基本だが、状況により早期解除もある
  • 特定警戒都道府県(13都道府県)以外は制限が一部解除される
  • 全国の退院患者が1日あたり100人以下になるまでが一つの目安
  • 緊急事態宣言が終了しても、感染防止の取組は継続する必要がある
  • 感染防止の取組の終了目処は、治療法やワクチンが開発されるまで
  • PCR検査の体制を拡充していく

 

緊急事態宣言解除後における感染防止への取組みとして、2週間を目処にガイドラインを策定することが明言されています。

やはり基本は3密を避けることになりそうです。

3密を避けることを会見では「新しい生活様式」と表現しています。

 

 

治療法やワクチンについては、レムデシビルとアビガンへの言及がありました。

レムデシビルもアビガンも今月中の承認を目指しています。

ただし、レムデシビルもアビガンも感染防止の取組を終了させるほどのインパクトをもつ薬剤にはなり得ないと考えられます。

これについては、近いうちに記事を書く予定です。

 

なお、安倍総理の会見は以下ウェブサイトに詳細に公開されています。

詳細を正確に把握したい方は、こちらを読むことをお勧めします。

 

www.kantei.go.jp

 

専門家会議から見る出口戦略

上記「今後の展開」で概ねカバーされますが、専門家会議の方が表現が直接的です。

前回記事の通り、新型コロナ対策として最終的にはクラスター潰しを目指しています。

クラスター潰しができる新規感染者の人数として「全国の退院患者が1日あたり100人以下」という数値目標が設定されたと考えられます。

 

日本の目指す政策は、欧米方式ではなく、香港・韓国方式です。

週末のTVやニュースにおいて、韓国が行動制限を解き、市民が自由を謳歌している姿を目にした方も多いと思います。

クラスター潰しのみで対処できれば、私たちの行動制限は圧倒的に軽くなります。

また、感染リスクも軽減されるでしょう。

 

ただし、感染防止の取組みは継続されます。

専門家会議の資料では「新しい生活様式」や「ガイドライン方針」が記載されています。

具体的な事例(ゴミ捨て等)も記載があるので、時間があればご覧ください。

新型コロナウイルス感染症対策の状況分析・提言(5月4日)

 

まとめ

緊急事態宣言による厳しい自粛生活は「5月31日まで」という認識が示されました。

状況が良ければ、早期終了もあり得ます。

一方、明確な数値目標と設定して良いかは不明だが、「全国の退院患者が1日あたり100人以下」という言及があったため、この数値をクリアできなければ、延長もあるかもしれません。

早期に自粛生活を終えられるよう僕も努力していきたいと思います。