新型コロナウイルス感染症 -予防の基本-
新型コロナウイス関連のニュースや情報を追いかけていると疲れますね。
そんなときはジタバタしないで、予防に努めるしかありません。
このメッセージが、最も皆さんと共有したかったことかもしれません。
毎日の
- 新規患者数
- PCR検査件数
- 抗体検査の精度
- ワクチンや新薬の開発情報
などの情報に踊らされても意味がないからです。
ワクチンや新薬情報は、僕自身が得意とすることなので、近く記事を書きます。
しかし、最も大事なことは各自の健康です。
予防するためには、まずウイルス感染への正しい知識が必要です。
新型コロナウイルスに関わらず、ウイルス感染が起きるために必要な要素があります。
それは、
「ウイルスへの接触機会×ウイルス曝露量」
です。
実は、以前の「風邪の予防は王道で…」という記事で書いている内容と同じです。
新型コロナウイルスは特別か?(接触機会)
新型コロナウイルスの感染経路は、飛沫(くしゃみ・咳など)感染か接触感染です。
新型コロナウイルスは、体内のangiotensin converting enzyme-2(ACE2)に結合し、感染することも知られています。
これも新型ではない普通のコロナウイルスと同じです(通常の風邪症状を引き起こします)。
ちなみに、ACE2は体内で気管支・肺・心臓・腎臓・消化器などに多く発現しています。
気管支や肺は、飛沫や接触による曝露を受けやすいですね。
このように「ウイルスへの接触機会」という意味では通常の風邪予防と変わらないはずです。
新型コロナウイルスは特別か?(ウイルス曝露量)
新型コロナウイルスの場合、どの程度のウイルス曝露量により感染が成立するのか、という定量的なデータは見つけることができませんでした。
確かに定量的に曝露量を計測するのは技術的に難しいのかもしれません。
ただ、定性的には「感染力が高い」と言われています。
感染症の疫学モデルでは基本再生産数が計算されて言います。
新型コロナウイルスの基本再生産数は、風邪やインフルエンザよりも高いと言われています。
このことから、他の感染症と比べ、少量のウイルス曝露量で感染成立する可能性があります。
予防の実際
巷に溢れている情報は、概ね必要なことを網羅していますが、過剰な部分もあります。
過剰防衛は、心を蝕みますし、人間関係を悪化させます。
これまで僕たちが一般的な風邪予防でやってきたことは、
- マスク
- 手洗い
- うがい
でした。
これらは、ウイルス曝露量を減らすことがメインでした。
新型コロナウイルスでも、これらが有効であることは証明されており、継続が必要です。
「マスクは意味がない」という方もいますが、そんなことはありません。
マスクで(新型コロナに限らず)ウイルスを全て取り除くことはできません。
飛沫量を減らす/曝露量を減らすことができれば良いのです。
新型コロナウイルス予防で新しいのは、ウイルスへの接触機会を減らすことが、国民に一律に求められいることです。
それが、緊急事態宣言であり、自粛であり、3密を避ける行動です。
この状況をいつまで続けるか、というのは議論があるものの、理に適った対策であることは間違いありません。
最後に…
厚生労働省も適切な新型コロナウイルスへの予防法をWebsiteで公開しています。
「家族が感染した場合」のことも載っているので、必要に応じて確認してみてください。