健康を硬派に考える(仮)

薬剤師免許・医学博士号をもち、製薬会社への勤務経験もあるアサカワイッペイが健康に対して、真剣に考えるブログ

要指導医薬品について - 一般用医薬品 -

 

一般用医薬品は4つのカテゴリーに分けられます。

その中の「要指導医薬品」についてです。

(方向性は違いますが、詳細は厚労省資料をどうぞ:こちら

 

消費者の目線で…

まずは消費者目線で「要指導医薬品」を考えます。

「要指導医薬品」は、薬剤師から対面で説明が必要な医薬品です。

薬剤師からの対面説明がないと、購入できません。

残念ながら、インターネット経由では購入できません。

 

ドラッグストアに行くと、

「現在、薬剤師が不在のため、このお薬は購入できません」

と書かれたポップを見ることがあると思います。

まさにアレですね。

 

規制側の目線で…

要指導医薬品とは何なのか…

「要指導医薬品」は、

  • 医療用医薬品(処方箋が必要)から一般用医薬品(処方箋が不要)になったお薬
  • そのうち、医療用医薬品から一般用医薬品になって3年以内のお薬

です。

 

医療用医薬品は、安全性の観点から医師のみが処方することができます。

医療用医薬品のなかで、十分な投与実績があり、安全性懸念が少ない場合、一般用医薬品になることがあります。

 

しかし、投与実績十分とはいえ、一般用医薬品は自由に多くの人が購入できるため、思わぬ副作用が報告されることがあります。

そのため、一般用医薬品になり、3年間で3,000人の使用実績調査が必要とされます。

このような背景から、購入制限があるのが「要指導医薬品」です。

 

ちなみに、医療業界の人間は、医療用医薬品から一般用医薬品になったお薬を通称、

「スイッチOTC

と呼びます。

医療用医薬品から一般用医薬品に”スイッチ”するため「スイッチOTC」です。

 

何のために作られた制度なのか… 

国が、スイッチOTC政策をとる背景は、医療費の増大にあります(こちら)。

医療用医薬品は、3割が患者負担、7割が保険料負担です。

要は、国としては保険料負担を減らしたいための政策なのです。

 

医薬品の費用面に着目したとき、

”同じ成分の医薬品を買うなら、ドラッグストアより病院で買ったほうが安い”

という人がいます。

一概には言い切れませんが、概ね正解だと思います。

医療用医薬品では、保険制度の観点から、価格(薬価)の3割負担になります。

一方、スイッチOTCの場合、価格は企業側が自由に決められ、消費者(患者)はその価格の10割を負担する必要があるためです。

 

要指導医薬品の種類

実際に「要指導医薬品」に指定されているものは、何があるのか気になるところです。

3年間で入れかわっていきますが、2018年11月時点では15成分が指定されています。

厚労省HPでは、商品名および成分名の一覧を公開しています(こちら)。

 

 

話はずれますが、一覧を見ていると、例えばロキソプロフェンという成分は、

  • すでに経口剤(錠剤)は第一類医薬品
  • 外用剤(湿布など)は要指導医薬品

ということに、個人的にはとても違和感を覚えます。。。

 

 

にほんブログ村 健康ブログへ
にほんブログ村