健康を硬派に考える(仮)

薬剤師免許・医学博士号をもち、製薬会社への勤務経験もあるアサカワイッペイが健康に対して、真剣に考えるブログ

胃もたれの正体 -ピロリ菌-

 

前記事で胃もたれの原因は、

が原因であるとし、主に「消化と代謝の低下」について、記載しました。

 

今回は、「何かしらの病気(基礎疾患)がある」場合についてです。

とはいえ、基礎疾患の内容は広く、網羅しきれません。

そこで、基礎疾患に深く関わるピロリ菌について、紹介したいと思います。

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ピロリ菌感染症 第2版第1刷2010年9月発行(一般社団法人日本臨床内科医会)

詳細は、こちらの資料がわかりやすいです。

 

 ピロリ菌とは?

ピロリ菌という名前、響きは可愛いですが、なかなか厄介な菌として知られています。

胃の中は、強い酸性(pH1〜2)なので、通常は細菌やウイルスは、胃の中では生きられません。

しかし、ピロリ菌は生きられます。

 

理由は、ピロリ菌が持つウレアーゼという酵素のためです。

ウレアーゼは、尿素(urea)を二酸化炭素アンモニアに分解する酵素です。

アンモニアは、アルカリ性の物質です。

つまり、アルカリ性の「アンモニア」と酸性の「胃酸」が作用しあって、ピロリ菌の周りは中性になっているので、生きていけるのです。

 

ちなみに、アンモニアの原料にあたる尿素は、食事から摂取されます。

食べ物としては動物や魚介類に多く含まれています。

尿素というと、女性は保湿剤などの方が馴染みがあるかもしれませんね。

 

ピロリ菌の感染割合と感染経路

ピロリ菌は、日本人のほとんどが感染している、といわれています。

感染経路は、親子間の感染が多いようです。

 

昔は、 上下水道が整っておらず、水などから感染していました。

一方、上下水道が整った現在は、幼児期に両親からの食物の口移しで感染することが多いようです。

 

ピロリ菌の何がヤバイのか?

ピロリ菌に感染されたとしても、目に見えた症状は、すぐには現れません。

一部の人には、食欲不振や倦怠感を感じる方もいるようです。 

では、 何がヤバイのかというと、胃潰瘍や十二指腸潰瘍、胃がんを発症する可能性が高まることがヤバイのです。

 

ピロリ菌が胃の中にいるということは、異物が常に胃の中にいるということです。

異物がいると、体はそれを排除しようとするので、炎症が起こります(=胃炎)。

炎症が慢性的に起こると、組織が傷んできます。

その結果、胃腸に穴が空いたり(=潰瘍)や細胞が変質して異常増殖を起こしたり(=癌)します。

 

ピロリ菌の検査と治療

ピロリ菌がいるかどうか調べる検査は、胃カメラが一般的です。

消化器内科なら、どこでもやってくれると思います。

胃カメラが嫌な方は、他にも方法があるので、医師と相談してみてください。

 

治療は、今のところ医療用医薬品を服用するのが一般的です。

2〜3種類(1〜2種類が抗菌剤、1種類が胃腸薬)の医薬品の組合わせを1週間飲めば、ほぼ終了です。

詳しくは、医師と相談してみてください。

 

ザックリまとめ

 ピロリ菌は、多くの人が感染している細菌です。

検査はメジャーな方法(胃カメラ)で、仮に感染していても治療は短期間です。

ご自身の健康を保つことができ、子供への感染も防げることを考えれば、検査・治療をしてみてはいかがでしょうか?

 

ちなみに、僕は胃カメラを飲んだ結果、感染していないことがわかりました!

 

 

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