胃もたれの正体 -ピロリ菌-
前記事で胃もたれの原因は、
- 消化と代謝の低下
- 何かしらの病気(基礎疾患)がある
が原因であるとし、主に「消化と代謝の低下」について、記載しました。
今回は、「何かしらの病気(基礎疾患)がある」場合についてです。
とはいえ、基礎疾患の内容は広く、網羅しきれません。
そこで、基礎疾患に深く関わるピロリ菌について、紹介したいと思います。
詳細は、こちらの資料がわかりやすいです。
ピロリ菌とは?
ピロリ菌という名前、響きは可愛いですが、なかなか厄介な菌として知られています。
胃の中は、強い酸性(pH1〜2)なので、通常は細菌やウイルスは、胃の中では生きられません。
しかし、ピロリ菌は生きられます。
理由は、ピロリ菌が持つウレアーゼという酵素のためです。
ウレアーゼは、尿素(urea)を二酸化炭素とアンモニアに分解する酵素です。
つまり、アルカリ性の「アンモニア」と酸性の「胃酸」が作用しあって、ピロリ菌の周りは中性になっているので、生きていけるのです。
ちなみに、アンモニアの原料にあたる尿素は、食事から摂取されます。
食べ物としては動物や魚介類に多く含まれています。
尿素というと、女性は保湿剤などの方が馴染みがあるかもしれませんね。
ピロリ菌の感染割合と感染経路
ピロリ菌は、日本人のほとんどが感染している、といわれています。
感染経路は、親子間の感染が多いようです。
昔は、 上下水道が整っておらず、水などから感染していました。
一方、上下水道が整った現在は、幼児期に両親からの食物の口移しで感染することが多いようです。
ピロリ菌の何がヤバイのか?
ピロリ菌に感染されたとしても、目に見えた症状は、すぐには現れません。
一部の人には、食欲不振や倦怠感を感じる方もいるようです。
では、 何がヤバイのかというと、胃潰瘍や十二指腸潰瘍、胃がんを発症する可能性が高まることがヤバイのです。
ピロリ菌が胃の中にいるということは、異物が常に胃の中にいるということです。
異物がいると、体はそれを排除しようとするので、炎症が起こります(=胃炎)。
炎症が慢性的に起こると、組織が傷んできます。
その結果、胃腸に穴が空いたり(=潰瘍)や細胞が変質して異常増殖を起こしたり(=癌)します。
ピロリ菌の検査と治療
ピロリ菌がいるかどうか調べる検査は、胃カメラが一般的です。
消化器内科なら、どこでもやってくれると思います。
胃カメラが嫌な方は、他にも方法があるので、医師と相談してみてください。
治療は、今のところ医療用医薬品を服用するのが一般的です。
2〜3種類(1〜2種類が抗菌剤、1種類が胃腸薬)の医薬品の組合わせを1週間飲めば、ほぼ終了です。
詳しくは、医師と相談してみてください。
ザックリまとめ
ピロリ菌は、多くの人が感染している細菌です。
検査はメジャーな方法(胃カメラ)で、仮に感染していても治療は短期間です。
ご自身の健康を保つことができ、子供への感染も防げることを考えれば、検査・治療をしてみてはいかがでしょうか?
ちなみに、僕は胃カメラを飲んだ結果、感染していないことがわかりました!