小児慢性特定疾病と助成制度
日本には、小児慢性特定疾病とされている813個の病気があります。
これらの病気の場合、助成制度をうけることができます。
小児疾患なので、診断された場合のご両親の気持ちを考えると胸が潰れる思いです。
実は、私の弟も小児慢性特定疾病にかかりました。
診断を告げられたとき、父は衝撃のあまり卒倒したそうです。
ちなみに、弟は、幸いにして成人し、普通の社会人生活を送っています。
さて、助成の「全体像」「申請方法」の記事をザックリ書きました。
詳細が知りたい方は、以下のHPをクリックしてください。
全体像から…
基本的には、都道府県単位で助成をしています。
助成期間は、最大で20歳までです。
生涯/長期にわたり治療が必要な病気が多いので、助成期間に限りがあることが、一部で問題になっています。
さて、多く人が知りたいのは、
- 助成を受けられる基準は?
- 結局、どのくらい金銭面で助けてもらえるの?
ということだと思います。
● 助成を受けられる基準は?
基準は、2つあって、どちらかに当てはまることです。
- 治療費用が高額で長期にわたる患者さん
- 療養への負担が特に重い患者さん
1. 「治療費用が高額で長期にわたる患者さん」というのは…
1ヶ月あたり50,000円を超える月が、6回以上あることです。
50,000円は10割の医療費としてです(自己負担分のみではありません)。
2. 「療養への負担が特に重い患者さん」とは…
下の2つの表のどこかの項目に当てはまることです。
ただし、これらは専門の先生の判断を仰いでください。
● 結局、どのくらい金銭面で助けてもらえるの?
自己負担額を、1ヶ月あたり最大で15,000円に抑えることができます。
自己負担額は、年収によるので、普通はもっと安くなります。
下の表で、年収と照らしあわせてください。
助成の申請方法
行政の制度のなかで面倒なのが、手続きです。
その中でも困るのが、
- 何種類の、どんな書類を集めなければならないのか?
- どこに提出すればいいのか?
の2つです。
●何種類の、どんな書類を集めなければならないのか?
書類は、都道府県や年齢によって少し違います。
ここでは、基本的なことをシンプルに書きます。
基本の書類としては、8種類です。
- ① 小児慢性特定疾病医療費支給認定申請書 (= 申請書)
- ② 医療意見書の研究利用についての同意書 (= 同意書)
- ③ 小児慢性特定疾病医療意見書 (= 診断書,医師が記入)
- ④ 住民票の写し
- ⑤ 保険証のコピー
- ⑥ 住民税の所得課税証明 (= 住民税の決定通知書)
- ⑦ 医療保険の所得区分の確認に係る同意書 (= 同意書)
- ⑧ マイナンバーを確認できるもの
①②⑦は、googleで
「小児慢性特定疾病 ◯◯県 助成」
と検索してください。
ご自身が住んでいる都道府県の指定難病に関するHPがヒットします。
多くの場合は、そのHPからダウンロードできます。
保健所/保健センターでも入手できます。
③は、小児慢性特定疾病情報センターHPからダウンロードできます(こちら)。
⑥は、子供の保護者が会社員なら会社から5月頃に配布、個人事業主なら税務署から郵送されてきます…捨てないように!
●どこに提出すればいいのか?
提出場所は、近くの保健所/保健センターです。
こちらから確認してみください。
その他
さて、小児慢性特定疾病の助成制度のアウトラインを書きました。
余談ですが、申請書類で指定難病の助成制度と異なるのが、
- ② 医療意見書の研究利用についての同意書 (= 同意書)
の提出です。
”研究”と聞くと抵抗感がある方もいるかもしれません。
こちらは同意せずとも、助成は受けられます。
ただし、医療とは過去の経験の積み重ねです。
小児の重篤な病気は、人数が少なく、解明が進んでいないことが多いです。
抵抗感は理解できますが、次に同じ病気を持って生まれる子供のためを考えていただけるとありがたいです。
こちらの記事がお役に立てば、と思うと同時に、各お子様が元気なことを願うばかりです。