風邪薬は症状緩和してくれるけど治してくれない
僕は「風邪に根本的な治療法はない」と考えます。
以前にも記載した通り、風邪の原因を叩く「抗ウイルス薬」がないからです。
ですから、皆さんの持っている自然治癒力を最大限引き出しましょう(こちら)。
一方で、ドラッグストアや病院で処方される医薬品の正体が気になります。
今回は、風邪をひいた時の医薬品について書きたいと思います。
風邪薬の意味
風邪薬 -OTC医薬品-
ここでは、いわゆる総合感冒薬のお話をしたいと思います。
総合感冒薬とは、風邪の症状に全般的に効く薬、という意味です。
コンセプトとしては、症状を和らげ、身体を休める状態にすることが目的です。
総合感冒薬には、いろいろ成分が入っています。
各成分を少し見てみましょう。
普段、僕が愛用している「新ルルAゴールドs錠」を例にとります。
入っている成分、その目的は以下の通りです。
- クレマスチンフマル酸塩 :鼻炎症状の緩和(抗ヒスタミン作用)
- ベラドンナ総アルカロイド :鼻炎症状の緩和(副交感神経遮断作用)
- ブロムヘキシン塩酸塩 :痰の排泄を促す(漿液の分泌促進など)
- アセトアミノフェン :解熱・鎮痛(体温調節中枢に作用)
- ジヒドロコデインリン酸塩 :咳止め・鎮痛(呼吸運動の調節)
- ノスカピン :咳止め(咳中枢の抑制)
- dl-メチルエフェドリン塩酸塩:咳止め(気管支拡張・咳中枢の抑制)
- 無水カフェイン :倦怠感の改善(興奮作用など)
- ベンフォチアミン :栄養補給(ビタミンB1誘導体)
単純に記載すると、このような形です。
やはり抗ウイルス作用はなく、身体の不快な状態を改善することを目的にしていることがわかります。
他の総合感冒薬も、成分は違えど、上に書いた作用を発揮する成分が入っていることが多いです。
裏を返せば、購入時にOTC医薬品で、どれが良いと言い切るのは、とても難しいです。
不明点は薬剤師に聞き、その他の選択基準はパッケージや広告の好みになってしまうかもしれません。
風邪薬 -医療用医薬品-
風邪をひいたときに医師から処方される医薬品も様々です。
今回は、僕が処方された医薬品を中心に話を展開します。
それに加え、医療用医薬品と総合感冒薬(OTC医薬品)とで異なる点を記載します。
僕が処方された医薬品
前回に風邪をひき、病院に行った際、以下の医薬品を処方されました。
普通の処方ですね。
医師の判断によりますが、胃腸が弱い方は、加えて胃薬やビオフェルミンを処方されると思います。
人によっては、オゼックス錠を見て
「”抗菌作用”が風邪の根本治療じゃないの?」
と思われる方がいると思いますが、残念ながら違います。
風邪の原因は、”細菌”ではなく、”ウイルス”です。
オゼックス錠は、あくまで”細菌”を殺す役割です。
オゼックス錠の処方理由は、二次感染を防ぐためです。
”たかが風邪”ですが、身体が弱っている状態であることは間違いありません。
身体が弱っていると、普段は感染しない”別の細菌”にも感染する可能性が高まります(医療用語で日和見感染と言います)。
それを防ぐために”オゼックス錠”のような抗生物質が処方されます。
処方された医療用医薬品と総合感冒薬(OTC薬)の違い
1番の違いは、オゼックス錠のような抗生物質が入っているかどうか、です。
抗生物質は、下手な使われ方をすると、耐性菌がでてきて、社会問題に発展します。
したがって、抗生物質は、今後もOTC医薬品にはなりにくいと考えられます。
それ以外の違いは、
くらいかと思います。